介護で貢献したので遺産相続の配分を増やしてほしい

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介護で貢献したので遺産相続の配分を増やしてほしい

最終更新日:2018年8月15日
自分が亡くなった親の介護を行ったので、行っていない相続人よりも遺産相続の配分を増やしてほしいと考える方もいるかと思います。その意見が相続人に同意され、遺産分割協議にて配分を増やしてもらえれば問題ないのですが、同意してもらえないケースもあります。
また、法律上は介護を行ったことで遺産相続の割合が増える可能性は高くないという現状があります。

本ページでは、介護の貢献により遺産相続の配分を増やせるケースについて説明します。

遺言書

介護で貢献した方に多くの遺産相続を行う旨の遺言書が残っている場合には、遺留分を侵害しなければ、遺言に従い遺産相続の配分を増やすことができます(逆に介護の貢献を考慮しない分配方法が指定されている場合には、割合を増やせないことになります)。
遺留分の割合についてはこちらを参照してください。

遺産分割協議

遺言で指定されていない相続財産については、相続人全員で遺産分割協議を行い配分を決定します。介護で貢献したので遺産相続の配分を増やしてほしいという主張が認められれば、遺産相続の割合を増やしてもらえることになります。

寄与分

遺産分割協議で配分を増やすことに同意が得られなくても、下記のケースでは、民法904条の2第1項により、「寄与分」として、遺産のうちから寄与に相当する額の財産を取得することができます。
介護で貢献したことが寄与に当たる可能性があるのは「3.被相続人の療養監護(療養看護型)」です。
  1. 被相続人の事業に関する労務の提供(家業従事型)
    相続人が被相続人の事業である農業や自家営業に無給又はこれに近い状態で従事する場合が挙げられます。
  2. 被相続人の事業に関する財産上の給付(金銭等出資型)
    相続人が自己の資金を提供して、被相続人の事業に関する借金を代位弁済したり、被相続人名義で事業用の財産を取得するなどして被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与をした場合が挙げられます。
  3. 被相続人の療養監護(療養看護型)
    被相続人が病気・老齢等の理由により身体的・精神的に看護が必要である場合に、特定の相続人が長年その看護に従事したことにより、看護費用の支出を免れるなどして、被相続人の財産の維持に貢献したような場合が挙げられます。
    ただ、一般に、親の入院時の世話や通院の付き添いは、同居親族の相互扶助の範囲内であるので、これだけでは足りず、これにより介護費用の支出を免れ、財産維持に貢献したと認められる場合でなければ「特別の寄与」があったとはいえないと解されています。
    ただし、平成27年年司法統計年表(家事編)によると、寄与分の定めのあった遺産分割事件数(調停を含む)は153件にすぎず(遺産分割事件の総数は1万2615件)、また、寄与分の資産の価格に占める割合は、153件中76件が10%以下で最も多く、50%を超える事例は6件にすぎませんでした。過去の年度においても、寄与分が認められている件数は同程度であり、寄与分請求者にとって狭き門となっています。

介護の貢献により遺産相続の配分を増やせるケースについて説明しました。
自身の状況について詳細に相談したい、代理人を依頼したいなどのご要望があれば、当事務所へのご相談をご検討頂ければと思います。